そもそも扶養控除ってなに?
扶養控除についてどのくらい知っていますか?扶養とは独立していない人を他者が養うこと。納税者は扶養している親族がいると所得税や住民税の額が減ります。これを扶養控除といいます。
納税者が養うのは一般的には子どもや配偶者、両親でしょう。しかし民法上の扶養親族は「納税者と生計が同じである6親等内の血族と配偶者を除く3親等内の姻族」まで認められています。配偶者は扶養控除の対象になっていません。
配偶者の場合は「配偶者控除」の対象になります。配偶者控除も扶養控除と基本的な部分は同じ条件が適用されます。
また、扶養親族にはいくつか分類があり、たとえば「19歳以上23歳未満」は特定扶養親族となり、控除される額が多くなっています。
アルバイトを始めると気になる扶養控除
扶養控除を受けるには、扶養親族が控除の対象にならなければいけません。控除対象になるには「16歳以上」であり、「年間の所得合計が38万円以下」でなければいけません。働きすぎると扶養から外れてしまいます。
学生がアルバイトをする場合、一定の収入を超えると親の税金が上がってしまうということです。一般的に扶養控除は「年収103万円以下で受けられる」といわれていて、「103万円の壁」ともいわれています。
法律上は38万円の所得と定義されているのに、一般的に103万円の壁という言葉が浸透しているのはなぜでしょうか?
103万円の壁とは
ポイントはアルバイトによる収入が給与所得であることを前提にしていること、収入と所得がイコールではないことにあります。
自営業の場合は事業収入から必要経費を差し引いたものが所得となります。つまり実際の儲けとなる金額です。
アルバイトで給与収入を得ている場合は、自営業の必要経費に相当する「給与所得控除」を収入から差し引きます。この額は一律で65万円です。
給与収入が103万円の場合、この65万円を引くと38万円になります。この額がアルバイトで稼いだ所得金額となります。扶養控除の対象になる38万円以下に収まりました。配偶者控除も同じです。
103万円とはアルバイトで得る収入が給与の形態であることを前提として、38万円に給与所得控除の65万円をプラスして求められた金額なのです。
「103万円の壁」にはこの金額以内なら扶養控除を受けられるという意味と、アルバイトする本人が所得税を払わないで良い金額であるという意味があります。
所得税は1円でも所得があればかかりますが、所得から基礎控除38万円を引くことができるので、103万円以下の収入であれば課税対象になる所得はゼロになります。
勤労学生控除とは
学生には一定の条件で勤労学生控除を受けることができるので、130万円までの収入なら所得税の納税義務はありません。
しかし、扶養からは外れなくてはいけません。結果、親の納税額が増えるので損をするというケースが多いです。103万円の壁は越えないほうが無難です。